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第12回 ヒカリデッキかしわ2013実行委員長  寺 嶋 郁 夫 氏

   柏のまちづくりに関わる人のリレーインタビュー、今年度は柏駅周辺で活躍するまちづくりキーパーソンをご紹介していきます。
 4月にご紹介するのは昨年冬、ダブルデッキ上で開催された「ヒカリデッキかしわ2013」の実行委員長を務めていた寺嶋郁夫さんです。全国各地で開催されているプロジェクションマッピングですが、柏駅前のダブルデッキで開催するには、裏舞台での大きな苦労があったのではないかと察しています。なぜ開催しようと思ったのか、また大成功の陰には寺嶋さんのどのような想いがあったのか、聞いてみました。

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氏   名

寺 嶋 郁 夫  ( てらしま いくお 

肩 書 き

ヒカリデッキかしわ2013 実行委員長

プロフィール

千代田商事株式会社 代表取締役 
協栄商店会 理事 
NPO法人 柏ソーシャル・キャピタル協会 理事長
柏商工会議所 まちづくり委員長

1962年生まれ。大学卒業後、家業の洋菓子製造販売を手伝いながら
新規事業として中華居酒屋店、カラオケボックス、インターネットカフェなどを開業。現在は、自社不動産管理に精を出しつつ、柏のまちづくりに関わる。趣味はマウンテンバイクで休みを見つけては郊外の山へと通う。

 

 

――柏の様々な所でご活躍の寺嶋さんですが、お父様も名経営者でいらっしゃったんですよね。

父は柏で制服のデザインなども手がける洋品店や、「ボンジュールリヨン」というケーキ屋を経営していました。柏駅前通りやローズタウン(ステーションモールの前身)、成田、新松戸、取手などに出店し、10数店舗ありました。柏では初めてのケーキ屋だったんじゃないかな。それから、ビル経営なども手がけるようになりました。そうそう、私が高校生の頃に閉めてしまったのですが、「パブ・サントリアン・チヨダ」というパブもやっていました。


――今も語り継がれる、伝説のパブですよね。円形のバーカウンターがいくつも並んでいて、柏のかっこいい大人たち
が集まる憧れの場所だったとか。多岐にわたって活躍されていたお父様は、まちづくりに関しても積極的だったのでしょうか。

父は熱心な経営者で海外まで有名チェーン店の視察や勉強に行くほどでしたが、柏のまちづくりに関心が強まったのは再開発でC棟(ファミリー柏)の開館に携わるようになった頃からの様ですね。


――寺嶋さんご自身は、最初から柏のまちづくりに熱心だったのですか。

それが、全然なんですよ。中学からは都内に通学していたこともあって、「東京と比べたら柏なんて…」と思っていました。仕事を始めてからも、柏を足がかかりに東京に出ていくつもりでしたよ。

――何がきっかけで、そのお考えが変わったのですか。

35歳頃、現在京北スーパーの代表取締役でいらっしゃる石戸義行さんと出会い、柏商工会議所青年部に正式に加入することにしたんです。以前からストリート・ブレーカーズの市村日出夫さんにお誘い頂いてはいたのですが、なかなか腰が重くて(笑) 石戸義行さんは私と同い年なのですが、父親が柏で事業をやっているという共通点もありました。そして、青年部のまちづくり委員会に入って柏の街を考えるようになりました。ただ、だんだんともっと実質的に柏のまちづくりに関わりたいと物足りなく思っていたのも事実です。

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アートラインかしわ 毎年恒例の「30vs30」の様子

 ――人との出会いがまちづくりとの出会いだったんですね。

本当にそうですね。アートラインかしわというアートプロジェクトでのまちづくりに関わることになったのも、二番街商店会の石戸新一郎さんに出会ったからです。

――現在は寺嶋さんが実行委員長を務めていらっしゃるアートラインかしわは、まちづくりという視点から行われていアートプロジェクトですよね。

アートラインかしわは今年の秋で9回目の開催となるのですが、第1回から商工会議所と一緒にまちデザインシンポジウムを行っています。まちをデザインするというテーマで毎年様々なパネリストに話を伺っています。それと、アートラインかしわの特徴はまちなかで開かれた形で展示やパフォーマンスを行うことで、アートに興味のない人、まちに思い入れの無い人にもまちについて考えるきっかけを与えることを目標としていることだと思ってます。

 

アートラインかしわ,まちデザインシンポジウム
まちデザインシンポジウムの様子

――アートラインかしわは毎年新しいプロジェクトがありますよね。最初から順調だったのですか。

アートに関しては素人の集団でしたから、最初はもう大変でした。アーティストとの接点もありませんでしたし、やりたいことの方向性もバラバラでした。それこそ、「柏におけるアートとは?」という話し合いが何週間も続いたり・・・。でも、それだからこそ幅広い方に楽しんで頂けるものになったと思っています。

 

――様々なまちづくり事業に関わる中で印象に残っていることはありますか。

実は、まちづくりを一生懸命やらなければと思ったのは、ダブルデッキの改修工事の時でした。市が作成した完成予想図が、なんというか・・・ダサかった(笑) たくさんの人が利用する場所ですから、デザインよりも安全性や耐久性を優先されるのは当然かもしれません。でも、柏の顔ともいえる場所ですから、私としてはどうしてもデザイン性のあるものにしたかった。最初は「耐震補強の改修工事だから、市民の意見は取り入れられない」というお話でしたが、中心市街地活性化基本計画の中にダブルデッキのデザインについても組み込んで頂き、市側にプロポーザルを提出させてもらったんです。話し合いの中で、最終的にはデザイン性のあるものにして下さいました。「柏市は真剣に言えばちゃんと応えてくれる街なんだな」と思ったのが、まちづくりに本気になった瞬間かもしれません。

 

――柏といえばダブルデッキという方々は多いですよね。寺嶋さんもそうだったんですね。

中学から都内に通うようになったのですが、同級生はみんな23区内に住んでいて引け目があったんですよ。でも、同級生が柏に遊びに来た時に田舎だと思っていた柏にデパートが2つもあることやそごうの当時まだ珍しかったガラス張りのエレベーターにとても驚いてくれたんですね。その時の記憶は今も鮮明ですね。

――以前からダブルデッキにご縁があった寺嶋さんですが,昨年はヒカリデッキかしわ2013というイベントをダブルデッキ上で行われていますね。そごうの壁面を使ってのプロジェクションマッピングは国内最大規模という、本当に大掛かりなものでした。初めからダブルデッキでの開催を考えていらっしゃったのですか。

そごうの壁面で行うというのは、当初から考えていましたね。プロジェクションマッピングは全国各地で開催されていますが、柏でやることの意義は「柏の顔となる建造物で、柏のイメージを生かした内容であること」だと思っていました。夜間に行う大掛かりなイベントというと花火大会が人気ですが、莫大な費用がかかる。それなら経済効果も期待できるイベントをするべきだと考えていました。その答えとしてのプロジェクションマッピングだったんです。

ヒカリデッキかしわ2013
ヒカリデッキ2013の様子

 

――メディアにも大きく取り上げられ、たくさんの方に見ていただけましたね。

行政の方々や柏のことが大好きな市民ボランティアのお陰で、たくさんの方々に楽しんで頂けるものになりました。そして、周辺の大型店も非常に協力的でした。そごうの壁面に髙島屋のロゴが映るなんて、他の街では考えられないかもしれません。柏ではみんなが「街のために」と受け入れてくれる。本当に街のために行動ができる街だなと思います。

 

――「柏でこんなことが出来るなんてすごい!」という声がたくさんありました。親子・3世代・カップル・友達などくさんの方が見に来てくれましたね。始まる前に大勢の人が一点を見つめて待っていて、その様子にとてもドキドキしました。

ヒカリデッキかしわ2013
ヒカリデッキ2013の様子

嬉しいですね。私はヒカリデッキかしわでも、アートラインかしわでも、「見たことのないものに出会った時のわくわく感」を伝えていきたいと思っています。

――最後に、寺嶋さんが感じている柏のシビックプライドや、これからのまちづくりで取り組んでいきたいことなどを教えてください。

柏は今後「住みたい街」として進化していけたらと思っています。「遊ぶ街」と「住む街」では、必要とされるインフラが異なります。ベビーカーやシニアカーにとっては、ほんの少しの段差も辛いものです。また、歩道、自転車道、車道ときちんと整備されていたら、みんなが気持ちよく安全に移動が出来ますよね。簡単な例ですが、そうした「住む街」に望まれるインフラも整えていきたいと思っています。そうでないと、すでにバリアフリーを実現している郊外のショッピングセンターに集う人々に中心市街地に来て頂くことは難しいままですから。私は設計の専門知識などはないので、「まちづくりの旗振り役」しかできません。しかし、良質な住環境を実現するために、「そこが大切!」と言い続けていきたいと思っています。

――これからも柏は変わっていきそうですね。

いま柏に住んでいらっしゃる方の中にも、「柏なんて・・・」と思っていらっしゃる方は多いと思います。私自身がそうだったのでよく分かります。でも,まちづくりに本気で取り組むようになって、「本気でやれば柏は何でもできる街なんだ」と考えるようになりました。そう思ってくれる人を増やすためにも、ヒカリデッキをはじめ想いが伝わるイベントも続けていきたいなと思っています。

――寺嶋さん、ありがとうございました。

 

 

●今回の撮影場所:ダブルデッキ(正式名称:柏駅東口歩行者専用嵩上式広場)

昭和48年、日本の同型式デッキの先駆けとして完成。駅前再開発による同様の広場としては、国内で最も早く完成した。ダブルデッキの誕生と共にそごう・髙島屋が開業し、柏駅前が急速に発展する大きなきっかけとなった。駅を中心に設置されており、車道から立体的に分離された歩行者専用の道路に広場の機能を持たせています。一昨年改修工事が完了し、今の姿になっている。
特に休日はダブルデッキ上や、木製床のステージ(通称:ウッドデッキ)で様々なイベントが行われ、若者や文化の発信の場として親しまれている。

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次回のリレーインタビューは
ストリート・ブレーカーズ 運営委員長 市 村 日出夫 氏 です。

 

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