公社からのお知らせ
第7回 リレーインタービュー 鈴木 亮平 氏
柏のまちづくりに関わる人のリレーインタビューです。(毎月10日に更新予定)
第6回の砂川さんからのご紹介は、balloonの鈴木さんです!
balloonは、都市環境デザインスタジオ(4大学共同で行われている大学院のアーバンデザイン演習プログラム)をきっかけに生まれ、現在はNPO法人 urban design partners balloonとして活動しています。
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氏 名 |
鈴 木 亮 平 (すずき りょうへい) |
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肩 書 き |
NPO法人urban design partners balloon 理事長 株式会社 MeHiCuLi 代表取締役 東京大学大学院都市デザイン研究室・博士課程 |
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プロフィール |
1986年生まれ。東京生まれ東京育ち。 大学・大学院で都市デザインを専攻し、柏キャンパスの設計演習をきっかけにballoonを結成。そこでの提案“たなカー&ぷらっと”のアイデアを基に、柏市と香取市でまちづくり活動を開始。現在では、福島県いわき市、島根県津和野市、愛知県新城市でも活動を展開。 大学院での研究テーマは「ポーランド・ワルシャワの第二次世界大戦後の復興・復原」。 |
Q1 あなたの柏における関わりを教えてください。
balloonは、動く施設”たなカー”と、その停留所”ぷらっと”、というアイデアを提案しています。軽トラなどを用いた移動販売車”たなカー”がまちかどに停車し、誰でも気軽にぷらっと集まれるコミュニティ空間”ぷらっと”を生み出します。高齢化が進む地域において、車に乗れなくなる、買い物に行けなくなる、という課題がこれから生まれてくると思いますが、それに対して、サービス側を車で動かす、そして動かした先に人が集まれる場所をつくる、ということを考えています。歩いて行けるところで、生活に必要なサービスを受けられる。そして、そこに行けば自然と、こどもからおじいちゃん、おばあちゃんまでが顔を合わせることができる。そんなシステムと空間があれば、高齢化社会もより暮らしやすくなるのではないか。そんな考えから生まれたアイデアです。
現在、柏では2つの取り組みを行っています。一つは、私有空間を使って”ぷらっと”を生み出すこと。柏市都市部公園緑政課と協働で、「庭」や「空き地」を使って”ぷらっと”ができないか、取り組みを進めています。「庭」に、誰もが気軽に楽しめるプログラムを一時的に挿入する”ぷらっとガーデン”。みんなで「庭」で巣箱を作ったり、草木染めをしたり、寄せ植えをしたり。「庭」をまちに対して開き、みんなで楽しく使うことで、コミュニティの場としての「庭」の可能性を模索しています。また、高齢化が進んでいく地域では、手入れが大変な「庭」を、まちの緑の一つとして意識することで、住民同士が助け合い、マネジメントしていくことができると考えています。一方、小さなこどもが多い地域では、「庭」と緑道、公園が連鎖することで、まち全体が、安心してこども達が遊べる場になるのではないかと、期待しています。さらに、市内で既に多く見られる「空き地」も、”ぷらっと”として暫定的に活用していくことで、魅力的な居住環境を構築していくことができると考え、「空き地」の調査・活用提案を進めています。地域のプラットフォームとしての”ぷらっと”作りを目指しています。
もう一つの取り組みが、”こどもたなカー”です。これは、名前の通り、こども達と”たなカー”を作ってみよう、という企画です。設計から制作、看板などの装飾や、販売方法まで、こども達のアイデアで進めています。制作した”たなカー”で、毎月柏の葉のマルシェコロールに出店し、こども達が販売を行っています。”こどもたなカー”が生み出す空間は、いろいろな世代の人が集まる、まさに”ぷらっと”です。そんな空間の魅力をまちの方々に感じてもらい、まちづくりに参加するきっかけになってくれれば、と考えています。
Q2 柏で活動することによって何か得られたものはありますか?
柏での活動を通して感じるのは、まちづくりにおける「楽しめる人が、楽しむこと。やれる人が、まずやってみること。」の大切さでしょうか。”こどもたなカー”で言えば、「自分の力で考え、動き、協力し合うことで、まちに魅力をもたらすことができる。まちを楽しくすることができる。そして、自分も楽しめる。」ということを、こども達に感じてもらうことが、大きな狙いです。それを”こどもたなカー“を目にした大人にも感じてもらう。「まちづくりって、楽しむものなんだ。自分が楽しめれば、まちも楽しくなるんだ。」と感じてもらう。まちに関わる一歩を踏み出す機会になれば、と考えています。”ぷらっとガーデン”も、「こんなことやってみたい。こんなことやったら、まちが元気になるのではないか。」、住民の方がそう思うものを、一緒にやってみることを心掛けています。まちづくりに、正しい方法、順番はないと思います。まず、やってみること。それをできる人が仕掛けることで、色々な連鎖が生まれてくるのではないでしょうか。そのお手伝いをballoonができれば、と考えています。
Q3 これからの展望、またはこれからの柏に期待することを教えてください。
balloonは、”urban desing partners”という言葉を掲げています。自分の地域を魅力的にするためのアクションを起こす住民・行政の”パートナー”として、まちづくりのサポートをしていきたいと思っています。balloonは柏市の住民ではなく、外部の人間の集団ですが、外の組織だからこそ、できることがあるのではないかと考えています。住民同士だからこそ言えないこと、気にしてしまうこと、障害となってしまうこと、があるでしょう。でも、住んでいる人が、「まちはこうなったらいいのではないか。こうしたら、みんな楽しめるのではないか。」、そう感じたことは、全てやる意味があると思います。その想いをサポートする、ハードルを下げる、背中を押す。そんな団体があってもいいのではないかと思い、balloonの活動を展開しています。
全国様々なまちで活動をしていますが、柏というまちは、とてもチャレンジングな”パートナー”だな、と思います。市民の皆さんの問題意識も高く、既にたくさんのアクションがとられています。先ほど述べた、「まず、やってみる」。それが浸透しているまちであるような気がします。そんなまちで、balloonも一緒に様々な挑戦をしながら、柏の未来、さらにはその先に見える日本の未来を考えていければと思います。
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こどもたなカー 販売する商品は、自分たちで収穫
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こどもたなカー みんなで考えて作った「屋台たなカー」 |
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ぷらっとガーデン 素敵なお庭で巣箱作り |
ぷらっとガーデン 時にはガレージも使って、草木染め
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次回のリレーインタビューは 柏たなか農園 代表 松 本 庸 史 氏 です。 |
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~鈴木さんより~ 松本さんの運営する「柏たなか農園」とは、今シーズン”こどもたなカー”でコラボさせていただいてます。
松本さん発明の絶品焼き芋を作る機械、ワイルドなカボチャ畑、2匹のヤギ、などなど。
訪れるたびに、いつも驚かされています。
松本さんの豊かな好奇心、チャレンジ精神が、そんな驚きと楽しみに溢れた農園を作っているのだと思います。
柏の「農」の持つ可能性・魅力を感じさせてくれる、そんなあたたかい場所です。
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<担当者より追記>
鈴木さんに初めてお会いしたのは昨年だったのですが、地域と関わる活動なのに、色々な地域で点々と活動していているように感じてballoon自体がうまく掴めなかったという記憶があります。今回のリレーインタビューを通してお話しさせていただき、市役所のサポートを行っている話を聞いたり、いわきの住民の方との家族のような関係を聞いたりして、「まちを楽しくしたい人の背中を押すこと」の活動が少しわかった気がします。個人的には「住んでいる人が、『まちはこうなったらいいのではないか。こうしたら、みんな楽しめるのではないか。』、そう感じたことは、全てやる意味があると思います。」という言葉に非常に勇気づけられました。 まちづくり公社でもまちを楽しくしようとする人をどんどん応援していけたらいいなと思います。




